水無月 己月会 四季の茶 茶と季節、そのしつらえを通して茶の湯の基本とさまざまな日本文化との関わりを知り、そして薄茶の点前を習得し茶事を体験します。己月会オリジナルの初心者のためのプログラム「茶楽」。

六月/水無月の茶

水無月(みなづき)という呼び名の由来は、梅雨が終わり水が無いと言う意味や田に水を張る時期だとして「水張月」から転じたなどいろいろありますが、水と植物(生き物)、そしていのちとの深い関わりを改めて意識させる時期として水無月があることに、先人の智慧を感じます。

茶花 あじさい
以前、この時期に中国から帰国(成田空港)したときのこと、着陸前に目にする景色は、平野が全て水で満たされていて、飛行機が傾くごとに煌めく水面がとても印象的だったことを思い出します。

二十四節気(にじゅうしせっき)では、芒種(ぼうしゅ 6月5日頃)、夏至(げし 6月21日頃)の時期にあたります。
芒種とは穀類の種をまくという意味。
夏至から11日目頃を半夏生(はんげしょう ず)といいますが、この名を由来とする葉の表面の半分が白くなる半夏生(はんげしょう カタシログサ:片白草)は茶花としてよく用られます。


水無月の点前

口が広めの水指が客人寄りに置かれ、水の気配が茶席を清々しいものにしてくれます。
水指の蓋の変わりに葉を用いる葉蓋がありますが、葉もふっくらとし青さが増す6月、私はこの水無月にこそふさわしい点前ではないかと思います(7月の点前としているところが多い)。
葉をこのように水と共に扱うということは、季節の趣だけではなく、いのちと水の関係=生きる力と優しさを強調しているとのだと思います。

水指を葉が覆い、葉の上に微かに揺れる露は、この時期の茶の湯の味わいや奥深さを感じさせてくれます。 葉蓋には梶の葉、芋、蓮、ふき、桐、赤芽柏などの大きめの葉を用います。

※注意:アジサイは毒性があるので葉蓋には適しません。

葉蓋
水指:So-U作 葉:赤芽柏
「茶の湯の器」

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茶の湯二十四節気:水無月の点前「時期を楽しむ」
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茶楽 其ノ三
茶の湯と季節について-2

日本人の美意識と季節感

青い山、青々した葉などのように私たち日本人は緑をよく青といいますが、確かに遠くの山並みを見るとやはり青っぽく見えます。これは、日本の地理的な位置や島国特有の風土である多湿の海洋性気候のせいで、水蒸気を多く含んだ空気を通してモノを見ていることが影響しているからです。

ブランド構築を依頼され、イタリアと日本との色の違いを調べたとき、その国独特の色彩は、その国の緯度(太陽の光の角度)と空気に含まれる水蒸気や塵の成分(屈折の仕方)によること、つまり、その国の「風土」そのものが色として現れるのだということを改めて感じました。
風土はその土地で暮らす人々の視覚をはじめとする全感性を包み込んでいる訳ですから、日本人の美意識には、当然日本という風土が大きな影響を与えているわけです。

韓国人の日本文化の研究者と日本の美意識について対談したときも、日本は韓国に比べて自然が柔らかであるということ、四季がはっきりとしていて穏やかであること、そしてその穏やかな風土そのものが日本独自の文化や美意識として現れている、ということを力説していました。

日本らしさとして「霞たなびく...」という景色がありますが、海洋国日本では多かれ少なかれ常に霞がかって見えている、言い換えれば日本の自然は柔らかな色合いにいつも包まれているのです。そしてこの穏やかな自然のなかで日本独自の美意識と文化が育まれたのです。中国から渡ってきた茶もこうした中で日本化(和化)され、「茶の湯」が生まれたといっても過言ではないでしょう。

四季がはっきりとした自然に抱かれている日本、これは「いのち」の循環を鮮明に感じさせてくれることに他ならなりません。秋に枯れたものでも春には芽を出し、花が咲く。この地で育まれた柔らかな感性が、独自の感性が文化や芸能の中に生きているのです。


茶の湯の美意識「和敬清寂」

茶の湯では、その精神を和・敬・清・寂の四つの文字で表していますが、これも日本人の美意識を表す一つと言えるでしょう。

「和」とは、茶の湯を構成する人、所作、道具、環境などすべての調和を指します。また、私は「和」を単に和やかな様子としてではなく、同胞が共に精神を切磋琢磨すると捉えています。「敬」は人に対してのみならず、自然に敬意を表すこと。
「清」とは身なり、道具の清潔にと止まらず、こころの清らかさを。
「寂」は、静寂と共に「さび」という日本独特美意識とも言える「清貧の美」を指すと私は捉えます。

一歩でも先達たちの心境に近づければと思いますが、これがなかなか難しい...一緒に切磋琢磨してまいりましょう。

六月の稽古 茶を点てる
茶席の禅語 雨後青山青転青
(うごのせいざんあおし、うたたあおし )
雨の後の青山は、あお(緑)がいっそう青い。
話:禅語と掛け軸
1.お茶を点てる
2.点前の流れを知る
3.薄茶を頂く 作法を知る


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2012.6 2018.5 2021.5追記
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