
行之行台子は、裏千家茶の湯の奥伝(奥秘)の最初の手続きとして行われる。竹台子の天板中央に八卦盆、水指は瀬戸一重口、またはそれに類したもの、杓立は陶器、建水は唐金、蓋置きは穂屋香炉、皆具を使用しないのが特長である。本来、台子で用いる道具は唐物であったが、行之行台子は和物を取り入れたことで「乱れ飾り」ともいわれる。 奥秘の基礎とされ、点前の手続きは唐物と台天目の点前と連動している。
また、台子点前は道教や陰陽五行と深くかかわる....であれば、奥伝における台子秘伝の基礎は、行之行台子の炉ではなく「風炉」とすべきであろう。
奥伝の習得においては、「口伝」という性格上、時々の裏千家の指導の方向性や導師の考え方によって、手続きが変化していることを前提としなければならない。
故に手続きを覚えることも大事ではあるが、侘びスタイルの行之行台子が誕生した時代と背景などを思い浮かべ、手続きを柔軟に理解することが肝要である。
私は、台子でありながら、柔らかな空気と光が茶室に流れる行之行の点前になるように心がけている。

行之行台子 風炉の道具
道具は、真と行が混在しているのが特徴ではあるが、釜と土風炉の選びに真行の差配の自由度がうかがえる。台 子:竹台子(利休好み 小型)※行台子
風 炉:土風炉:※面取風炉は行 眉風炉は真 鬼面風炉もよし
茶 釜:真形釜 ※行の釜でもよし
天目台:真塗
天目茶碗
茶 杓:元節(止め節 象牙扱い)※行の茶杓
茶 入:唐物 中興名物 岩城文琳など
八卦盆:玄々斎好みなど
水 指:一重口(塗り蓋 国焼)※行の水指
棗 :真塗り中棗
蓋 置:火舎香炉(ホヤ)※真
建 水:唐銅
杓 立:陶器(水指とは違う種の陶磁器)※行の杓立
柄 杓:差し通し(荘り柄杓)
火 箸:荘り火箸 ※真 砂張や頭に飾り有り
水 次:木地曲水次 ※真 or 片口水次 ※行
風炉点前のポイント
風炉点前では台子と正対するので、手をつく位置・所作、火箸や柄杓の出し入れの際の姿勢に品格が現れる。
改めて姿勢を正すことが求められる手続きである。
台子天板上の道具を扱うときには足を組む所作がある(真と行では高さに合わせて組む)。
柄杓の扱い(水に切なし)
置、切、置の順で、釜に水のときは必ず「置き」になる
天目台の扱い
低い位置で持つこと、膝の高さ止まり
持ち運びは、茶碗と天目台のほおづきを持つ(三指で)茶を点てる時も同様
火箸、柄杓の扱い
柄杓:手をついて右手で二度に扱い、杓立の横から取り、真っ直ぐに膝前に持ってくる
左手に持ち替え、居前で構える
1.水屋荘りの最後に、水指を奥に一つ突く(仕舞いで、基本の据えに戻す)
2.足の運び 膝行、膝退、足退がある
3.建水は定座に置く(出し引きなし)
※火舎蓋置の出し入れと扱いに注意(火舎蓋置の種類で正面が異なる)
4.真塗り天目台は 左手、右手と扱う 回す時は反時計回り 離す時は右左(台天目)
5.茶杓は象牙扱い 清拭きで浄める(盆点/台天目)
※行之行では捌き直しで下側を取る
6.茶碗に湯や水を入れる時は茶碗に手を添える 小濯ぎあり
※小濯ぎは左回りで3回(台天目)
7.茶碗の仮置は 地板上 水指の前
茶筅通しは、3度上げ3度打ち 洒水としておこうこと
8.茶巾のたたみ替え 初めと仕舞いは茶巾をたたみ替える
9.茶を入れる際の茶杓の扱い
天目台の羽根の右上 /内打ち(台天目)
10.拝見は「割り乞い」(唐物)
唐物とは異なり、茶入と茶杓+仕服を同列に並べる
※茶入と茶杓の間隔は、茶入の高さ分 茶杓と仕服の重ねは、
同列が感じるように計らう