床の間の掛け軸には、禅僧が描いた禅語の軸がかけられます。「和敬清寂(わけいせいじゃく)」「一期一会(いちごいちえ)」「円相(えんそう)」「喫茶去(きっさこ)」など、茶席で使われる禅語は、聞き覚えや見たことがある言葉が多くあります。これらの禅語は、茶事のテーマに合わせてその心を客人と共有するために、亭主が入念に選び、茶事の前に掲げます。
話尽⼭雲海⽉情
かたりつくす さんうんかいげつのじょう
今宵は、語り尽くそう...、夜咄の茶事の軸には、この言葉。この軸をかければ、懐かしい友の顔が浮かんでくる。私が茶の湯に抱く情景をそのままに、しみじみとしたふれあいが伝わってくる禅語です。
親し仲間が集まり、自然の、胸中の、心の奥底の思いを語り、分かち合う。⼭雲海⽉そして情、あらゆるものとの関わりの中で人は生かされている...今宵、語り尽くそう、我が心の友よ。
茶の湯初心者向け 茶道体験ガイド『日本人も知らない茶の湯の世界』佐藤 宗雄 著
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睦月 | 一座建立 いちざこんりゅう | 和気兆豊年 わき ほうねんを きざす | ⻘松多寿色 せいしょうじゅしょくおおし |
如月 | 掬水月在手 みずをすくえばつきはてにあり | 梅花和雪⾹ ばいか ゆきにわして かんばし | 雪裏梅華 せつりのばいか |
弥生 | 一花開天下春 いっかひらいて てんかのはる | 百花為誰開 ひゃっかたがためにひらく | 春色無高下 しゅんしょく こうげ なし |
卯月 | 一華開五葉 いっか ごように ひらく | 弄花香満衣 はなをろうすればこうえにみつ | 柳緑花紅 やなぎはみどりはなはくれない |
皐月 | 薫風自南来 くんぷうみなみよりきたる | 吟風一様松 かぜにぎんずいちようのまつ | 青山緑水 せいざんりょくすい |
水無月 | 清流無間断 せいりゅうかんだんなし | 雨後青山青転青 うごせいざんあおしうたたあおし | 水滴々 みずてきてき |
文月 | 瀧 直下三千丈 たき ちょっかさんぜんじょう | 雲悠々水潺々 くもゆうゆうみずせんせん | 清寥寥白的的 せいりょうりょうはくてきてき |
葉月 | 行雲流水 こううんりゅうすい | 澗水湛如藍 かんすいたたえてあいのごとし | 山是山水是水 やまこれやま みずこれみず |
長月 | 中有風露香 なかに ふうろの かおり あり | 萬⾥無⽚雲 ばんりへんうんなし | 昨夜一声雁 さくやいっせいのかり |
神無月 | 吾⼼似秋⽉ わがこころ しゅうげつににたり | 吾唯足知 われただたるをしる | 直⼼是道場 じきしんこれどうじょう |
霜月 | 他不是吾 たはこれわれにあらず | 楓葉経霜紅 ふうようしもをへてくれないなり | 開門落葉多 もんをひらけばらくようおおし |
師走 | 看々臘⽉尽 みよみよ ろうげつ つく | 紅爐⼀点雪 こうろじょういってんのゆき | 庭寒月色深 にわさむくしてげっしょくふかし |
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茶の湯 二十四節気 学びのハンドブック |