弥生 四季の茶 茶と季節、そのしつらえを通して茶の湯の基本とさまざまな日本文化との関わりを知り、そして薄茶の点前を習得し茶事を体験します。己月会オリジナルの初心者のためのプログラム「茶楽」。


三月/弥生の茶

弥生」は、草木弥生(いやおい)茂る月、草木が春を感じて芽吹き生い茂る時期という意味があります。花見月(はなみづき)とも呼ばれます。実際に気温が上がり春を待ちわびていた草木が芽吹き、花がほころびはじめる頃です。 春分の日の前後3日の7日間が彼岸。彼岸の中日には、ぼたもちなどを作ります。
この時期の点前は侘び茶の趣がを感じさせてくれる釣釜です。茶の湯の原点に思いを馳せてみるのも良し。

二十四節気(にじゅうしせっき)では、3月6日頃が「啓蟄(けいちつ)」。蟄は「冬の間に巣ごもりする虫」のことで、春になって暖かくなり虫たちが目覚めて活動をはじめるという意味があります。中国では「驚蟄 きょうつち」と書き、二十四節気の名称で日本と異なっているのはここだけです。

3月21日頃が「春分(しゅんぶん)」。春の彼岸の中日(ちゅうにち)にあたります。春分の日は、自然をたたえ,生物をいつくしむ日として定められた国民の祝日のひとつ。
暑さ寒さも彼岸まで、といわれるようにこの頃から次第に日照時間が長くなりめっきり春めいてきます。
桜や白木連などの花が一斉に咲きはじめる頃です。

芽

弥生の点前

三月には、炉の終わりに思いを馳せるように釣釜を用います。炉の原点でもある囲炉裏の素朴な雰囲気が茶の湯の趣を感じさせてくれます。 釣釜は天井に打たれた蛭釘(ひるくぎ)から釣り下げ使用しますので、釜の蓋の扱いや湯のくみ取りの際に釜が揺れ、それを上手に納めなければなりません。普段よりこころの余裕が求められます。

釣釜には、雲龍、車軸などの細長く小さめの釜を用います。炉は囲炉裏をコンパクトにしたものともいわれ、山居の風情を茶の点前とした侘び茶を伝える代表的なしつらえともいえます。釣釜のこの時期には釣釜に合わせて、茶花や道具の合わせにも侘びのしつらえを意識したいものです。

釣釜

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茶楽 其ノ十二
茶の湯の精神

茶の湯の礼

三月の点前では、炉の火の量を抑えるように気遣います。炉を深し、少ない火で湯が沸くように小さな釜を用います。釣釜では五徳を使用しないのが約束とされ、その代りに蓋置きには五徳の蓋置を用いいます。

これはすべて、時間と空間を共にする客人に対する礼を現しているのです。三月は暖かさを感じはじめる頃、火の熱さをどのように加減したら良いのか、無くなった五徳をどう扱ったら喜んでもらえるのかなどなど、相手のことを慮(おもんぱか)ること、それ自体が礼であると私は思います。
さらに、茶の湯には客人も亭主の思いを受ける受け方というのがあります。思いをどのようにを受けるか、それも礼です。

茶の湯では扇子で決壊を作り自分を下座において敬意を表します。相手への礼はもとより、それ以上に大切にしたいのが、亭主が自分のためにしてくださったこと、例えば、茶席のしつらえに、茶花に、茶器に、そしてお茶に。亭主への計らいへの敬意と感謝の気持ちです。

茶の湯では、これらの礼が 稽古の場で積み上げられ身に付くようになっています。これを堅苦しいことといって敬遠する人も多いようですが、近頃ではこの礼に日本文化の何かがあると感じて訪ねてくる方の方が多くなっているように思います。
営業スマイルやマニュアルの礼が多い世の中、礼を知る機会が少なくなったようです。茶の湯を通して礼の意味を知ったこと、自然に礼ができる自分になれたことは、茶の湯に感謝すべきことの一つとつです。

2013.2 2018.4追記

三月の稽古  礼について
 茶席の禅語 春風吹又生 (しゅんぷうふいてまたしょうず)
 冬に枯れた草花でも春風が吹くとまた芽生えてくる。
 話:茶の湯の礼
 1.礼の意味
 2.礼の型
 3.茶の湯のコミュニケーション


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